産経新聞によれば、11月24日に大阪府の橋下徹知事が教育問題について府民と意見を交わす2回目の討論会を行ったとか。
2008年11月24日 産経新聞
中盤までは混乱なく進行したものの、知事が「競争を否定する教員は無責任」と発言したとたん、教育関係者とみられる参加者から反論のヤジが相次ぎ、会場は一時騒然とした。10月26日に堺市で開かれた1回目の討論会では、知事に対し「帰れ」「教師の数を増やせ」などと罵声(ばせい)を浴びせる教員らが続出。
ご苦労さまです…(◎_◎)
討論会では、
「競争を強いることで子供の意欲がはぐくまれるとは思わない」との参加者の発言に対し、橋下知事は「競争を否定してはいけない」と反論。
とか、
「教師はみんな一生懸命やっている」という発言に対し陰山委員は「一生懸命やっているということを理由にするな。プロなら結果の出ないような努力をするな」と反論した。
などが議論されたようです。
「朝まで生テレビ」みたいですねえ。
ただ「朝まで生テレビ」と同じで、結局、議論しても結論が出た感じではなさそうですが・・・
まあ、教育に対するビジョンの部分ですから、考え方の違いもあるだろうし、議論もする必要があるんでしょう。
ただこうした討論会を行うことで、いわゆる学力低下の問題や公立の学校への不信というのは解消されないだろうと思うんです。
そんな議論を延々と行っていること自体に一部の人は不審を抱いているのではないか。
どうでしょう。
そういう議論を大阪で行っている一方で、福岡ではこんな取り組みを行っている学校もあるようです。
少し長い引用になりますが、家庭での勉強にも大いに参考になることを実践しているので、ぜひ読んでください。
2008/10/24 西日本新聞
学力の二極化が深刻化するなか、福岡市城南区の梅林中学校が一部の授業で1コマ50分を半分にする短時間授業に取り組んでいる。生徒の集中力を保つとともに、増えたコマを割り振って主要教科をほぼ毎日設け、基礎学力の定着を目指す試み。
理科の実験では、分割分を足してゆとりを持たせるなどメリハリもつけた。文部科学省によると2分割授業は全国的に珍しい取り組みで、学校側は学力がアップしたと説明している。
■主要教科 ほぼ毎日学習
1年の教室で、授業開始のチャイムの少し前に数学が始まった。
生徒は教諭の計算問題に答え、方程式を解く。開始から25分。教諭が授業を切り上げると、代わりに英語教諭が入室。終了のチャイムまで単語学習やリーディングを進めた。
短時間授業は昨秋導入した。
全国と同様、学力の低位層が増える傾向があり、集中力が続かない生徒もいたため、それぞれ週3コマだった1年の数学と英語の1コマを半分に分割。
増えたコマを授業のない日に回して各週4コマにし、基礎内容の反復学習に充てた。
一方で、2年は、数学の1コマを25分授業にして理科実験に充当。75分あると3つの実験も可能で、失敗してもやり直しがきく。
学校のアンケートに、生徒には「授業の進み方が遅い」などの意見もあったが、6割は評価。
「50分授業は飽きることもある」と言う2年生の生徒のように、多くは集中力が増す効果を実感している様子だ。
9月に実施された民間主催の5教科テストで、同校2年の平均点が福岡県の平均を上回った。
1年前よりその差が拡大し、学校側は学力向上の手応えをつかんでいる。
同省によると、このような時間割の弾力的な運用は「モジュール学習」と呼ばれ、取り組んでいる学校はあるが、1コマを2分割する試みは「聞いたことがない」(教育課程課)。
福岡市教育委員会は研究指定して効果に注目する。
同校教務主任は「時間割作成は大変だが、生徒が分かりやすい授業をさらに進めるため改善を加えたい」と話している。
いかがですか?
すばらしい!! ストロングはそう思います。
「昔に比べて子供に集中力がない」なんてよく言われます。
確かにそうなんでしょう。
だったら50分授業を半分の25分にしてテンポよく細切れでやる。
ご家庭でも大いに参考にしてほしい手法です。
そして、ただ新しい試みをやってるだけではなく、きちんとテストで成果を確認もしています。
勉強は正しくやれば、必ずすぐに成果が出る。
テストで成果が出なければ、やり方を考える。いかに子供の興味を持続させ、飽きさせずにやらせるか。
結論の出ない議論をしている間にも、教師の取り組みでどんどん差がついていくものです。
先にやった学校で成果が出ているなら、真似たらイイ。
成果が出れば、子供たちにも以前よりは集中力も出るし、活気づく。
「教育とは・・・」
と大上段に振りかぶって議論しなくても、目の前の子供たちを題材に観察し、どうしていくかを考えて、新しい取り組みをやれば、すぐにできることがいくらでもあります。
成果が出ても、アンケートでは「6割が評価」なんです。
全員が賛成する試みなんてないんですから。